熊本県益城町行政視察

2018-10-09
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総務市民委員会にて熊本県益城町に行政視察にお伺いしました。益城町は平成28年4月14日木曜日午後9時26分にマグニュチュード6.5震度7の地震が発生し、発生後に自衛隊、消防、警察が中心となり、町内の一軒一軒を回り、救助活動に実施しました。しかし、その二日後の4月16日土曜日午前1時25分にマグニュチュード7.3震度7の本震が町を襲い、全世帯13,455世帯のうち全壊3,026棟、大規模半壊3,233棟、一部損壊4,325棟と町のほとんどの住家が被害にあいましたが、14日の前震時に町内全区域のローラー作戦を実施していた為、本震の被災後4時間半で全地域の被災状況を把握できたそうです。住宅倒壊の主な原因の一つは、この地区は台風被害が多い為、屋根の瓦が飛ばないように全ての瓦を固定する工法が取れれていた為に屋根が重く、その重量に柱が耐えられなく、倒壊したそうです。また町の一時避難所と指定されている総合体育館が、前震の際に一部の天井が落下した為、町長の判断により、避難所として解放しませんでした。その後の本震では天井パネル1枚5.4キロ、1基約7キロの照明器具重機などが落下し、もし、避難所としてこの体育館を解放していたら多くの犠牲者が出ていたところでした。有事では一つの判断ミスが致命的に成ることがわかった事故です。現在、復旧・復興に向けた様々な取組みとして、復興計画を策定し、各地域にてまちづくり協議会を立ち上げ、住民と行政が一体となり、災害に強い協働のまちづくりを推進しています。しかし、復旧も道半ばで復興にはまだまだ大きな課題があるそうです。特に財政的な面では、激甚災害に指定されたため復旧事業の90%が国から交付されますが、復旧に関する事業は補助率が少ない為、完全復旧までの試算額がは年間予算の数倍となり自主財源では不可能であるとのことです。視察の最後に国の天然記念物に指定された谷川地区の現場を確認、谷川地区の断層は狭い範囲でV字型に露出した断層であることから、同一視点より共役断層を確認することができる国内でも稀有な標本です。自然災害の脅威にいつ襲われるかかわかりません。もしもの時の備えを行政だけに頼るのではなく、各地域で、各家庭で有事に被害を最小限にとどめる備えなければならないと感じました。
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